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◆2004年8月◆
層雲峡では・・・

 日本列島は連日の猛暑が続いていますが、ここ層雲峡でも7月24日、30日とめずらしく31.5℃の真夏日を記録しました。それでも8月にはいると、大雪山の高山帯はすでに秋色が覆いはじめています。やがて初霜が訪れ、9月の上旬には紅葉の季節を迎えます。そして、1ヶ月間をかけて紅葉が層雲峡に下ってくるあいだに、高山帯では根雪の季節に入ってしまいます。一瞬の夏、それでも層雲峡はいま最盛期を迎えています。


〜高層湿原〜

 北海道は湿原が多く、日本にある湿原のほぼ80%を占めています。そして寒冷な気候条件をもつことから、北海道全域が泥炭湿原帯に含まれています。泥炭とは植物遺体が充分に分解することなく半ば炭化した状態のもので、これが連続的に堆積して泥炭層が形成されます。北海道の湿原は河川の下流〜河口域の沖積層に大規模に発達しており、釧路湿原やサロベツ原野などは代表的です。一方、山岳地では、各地の火山の溶岩台地上の平坦地にミズゴケ湿原が発達していますが、大雪山の中腹部には、沼ノ原湿原や沼ノ平湿原などで代表的とされる多くの高層湿原が分布しています。

 高層湿原とは高山にある湿原という意味ではありません。沼ノ原湿原のようなミズゴケ泥炭では、地表で年々枯死して堆積するミズゴケとともに、それが水を多量に含み、水位を引き上げていきます。そして、ついには地下水位より高い部分ができてきますが、ここでは、もはや地下水を利用できなくなりますので、雨水にたよらなければなりません。このように雨水や霧などによって潤っている湿原を『高層湿原』とよばれており、根室半島など海岸近くの湿原でも見られます。これに対して地下水によって潤されている湿原を『低層湿原』とよばれています。そして、これらの中間にあたるいものは『中間湿原』とよばれています。

 7月25日には、層雲峡ビジターセンターの自然観察講座で、日本海に流れる石狩川と太平洋に向かう十勝川の分水嶺にあたる沼ノ原湿原に訪れてきました。湿原では可愛いピンク色のツルコケモモの開花期でしたし、タチギボウやナガバモウセンゴケは咲き始めたばかりでした。また、ここでは湿原特有のクモマエゾトンボ、カオジロトンボ、さらにルリイトトンボの珍しい水中産卵なども観察できるでしょう。



■黒岳〜お鉢平■


 層雲峡ロープウェイの標高約670m、ロープウェイ約7分間でぐんと標高を上げ五合目1300mへ。そして、リフト約15分間で七合目登山口1520mからいよいよ登山開始!黒岳山頂1984mまで約1時間半かけてゆっくり登ります。黒岳では、山麓の方から標高が上がるにつれて針広混合樹林帯→針葉樹林帯→上部広葉樹林帯(ダケカンバ帯)→高山帯(ハイマツ帯)へと移り変わっていく植生帯の垂直分布や地形(風当たりや雪のつき方)などによって変わる植物の種類の違いなどを観察します。また、黒岳や周辺の山々、そして層雲峡渓谷がどのように形成されたのかを、お鉢平展望台から実際に中央火口のカルデラを眺めながら、数万年から十数万年前の火山活動を想像してみましょう。



■赤岳■

 花の山として道内の多くの方々に親しまれている赤岳ですが、その入山口である銀泉台は高原温泉沼めぐりコースと並び『紅葉の名所』としても有名です。登山口から約20分程で第一花園周辺の山の斜面を目の前に眺めることが出来、この斜面をウラジロナナカマドの燃えるような紅葉が流れ落ち、視野に広がるダケカンバが黄色く色づいていたなら、ため息のでるような、まさに錦絵と言われるほどの風景です。銀泉台の例年の見頃は、9月中旬(9/10〜15)頃。去年のピークは9/11、12頃でした。

 足元のウラシマツツジの真っ赤な紅葉や、黄色・黄緑色・黄茶色・紫緑色・・様々に変化する草紅葉、ハイマツの緑を縁どるウラジロナナカマドの橙赤色・ダケカンバの黄葉の美しい第三雪渓など、紅葉風景を楽しみながら赤岳山頂まで登ります。

 さて、今年の紅葉は、いかがでしょうか?

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*紅葉期『高原温泉・銀泉台』は、マイカー規制がございます。
ご注意ください。 (2004.9/11.12.18〜26 計11日)

【例年の紅葉の見頃】
・黒岳山腹       9月中旬
・高原温泉(緑沼周辺) 9/20〜25頃

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■赤岳の巻■
7月11日(日)天気:霧・くもり

 参加者8名とともに、高山蝶のウスバキチョウ(天然記念物)と高山植物に女王コマクサを、いざ観察に行かん!・・・が、しかし、高山蝶は風の無い晴れた日に活動するもの。あいにくこの日は霧で視界がきかず、さらに冷たい風が吹きつける状態。ここで『あーウスバキチョウは現れず、残念でした。』と、ただでは終わらせない、虫博士センター長。コマクサのそばの石に産みつけられた、直径1mmにも満たないような小さな小さな卵を見つけ、観察することができました。こんな小さな卵で厳寒の環境を生きぬき、さらに蛹でもう一回冬を越すたくましさ。説明を聞いて『ほ〜』と感心。

 コマクサ平のコマクサは、よい花見頃。山頂ではホソバウルプソウやチョウノスケソウも咲いていて、たくさんの高山植物の名前をメモする勉強熱心な参加者たち。頂上では晴れて記念撮影よろし!ナキウサギの一声『ピ〜〜〜ッ』



■沼ノ原湿原の巻■
7月25日(日)天気:くもり→一時雨

 クチャンベツ林道をたどり登山口へ。虫除けハッカをみんなで塗りっこ。蚊の対策と準備体操は忘れずに。足場の悪い急登に息を切らしたどりついた湿原。風に乗って飛ぶ瑠璃の宝石ルリイトトンボ『どれどれー?』と、みんなも興味津々。食虫植物ナガハツモウセンゴケがルリイトトンボを消化中。植物が虫を食べるという生態も湿原という貧しい土壌で生きる智恵。白いワタスゲ揺れる沼ノ原は、紫のタチギボウシが咲き始めていました。




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