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◆2004年5月◆
層雲峡では・・・

 この冬は例年になく積雪が少なく、高山植物の季節にはどうなるかと心配していましたが、3月末に黒岳石室まで登ってきましたら、すっかり例年並の積雪にな っていました。さらにその後、層雲峡あたりでも執拗な降雪は何度も訪れ、連休 中にも一面の雪景色となってしまいました。春は例年より遅れています。それでも雪解けの早い斜面ではエゾエンゴサクやニリンソウなどの春植物が開花を始め ています。


季節の話題 〜春の層雲峡〜


ヒメイチゲ
 雪解けの遅い層雲峡にも、やっと春の知らせがやって来ました。

 紅葉谷や層雲峡園地では春を告げる小さな花々が、雪を掻き分け、日一日と咲き競い始めています。

 とかく層雲峡では、登山が主流で山の上に咲く高山植物ばかりに目が行きがちですが、麓の道路わきを眺めるだけでも充分に楽しませてくれる小さなかわいい花を見ることができます。

 現在見ることのできる花たちは、ヒメイチゲ、オオバナノエンレイソウ、キバ ナノアマナ、エンレンソウ、エゾエンゴサク、ナズナ、ネコノメソウ、ニリンソウなどです(5月中旬)。日照時間も長くなり暖かくなってくると、入れ替わるように沢山の花が咲いてきます。

 昨日は咲いていなかった場所にも、今ある花とは違う花が咲いているので、散歩がてら紅葉谷や園地で、ぶらぶらするのも気持ちが良いので、昼間だけではなく他の時間帯に散策してはいかがですか?

 その日、その時々で表情が違う自然を感じてもらえると思います。


オオバナノエンレイソウ


〜上川町周辺の隠れた名所案内〜

◎清川ミズバショウ園

 層雲峡から旭川方面に行くバスで行くこと15分。ちょうど上川との中間に清川という所があります。

 そこには、ミズバショウが群生するミズバショウ園があります。国道沿いからも見えますが、木道の散策路があるので、車を降りてゆっくり散歩すつことをおすすめします。

ミズバショウ


〜垂直分布 黒岳〜

 春植物が開花し、やがて5月下旬頃になると層雲峡はまるで秋の山を眺めているかのような新緑の季節を迎えます。それは広葉樹の木々の芽吹きが一様ではなく、じつに多彩に輝いているからです。そして針葉樹の濃緑がさらに深い彩りを添えています。しかし、そのような麗の春とは別に、標高2000mの高山帯ではいまだ果てしない白い世界が広がっています。

 標高100mほど高くなると、気温は0.5度ほど下がります。そのため高度によって生育する植物の種類が変化してきます。北海道の森林植生の垂直分布をみますと、低標高地から高標高地にむかって、まずシナノキ、ミズナラ、イタヤカエデなどの下部広葉樹林帯〜エゾマツ、アカエゾマツ、トドマツなどの針葉樹林帯〜ダケカンバ帯(上部広葉樹林帯)〜そしてハイマツ帯へと特徴を移行しています。

 黒岳(1984m)を例でみますと、まず層雲峡あたりは広葉樹林帯から針葉樹林帯へと移行する下部針広混交林帯にあたります。ついでリフトのある5〜7合目付近は針葉樹林帯からダケカンバ帯へと移行する上部針広混交林帯にあたります。さらに自分の足が唯一の頼りとなる7合目付近にくると針葉樹林は消えて、ダケカンバの純林に入っていきます。そしてダケカンバ帯の森林限界をぬけると、いよいよハイマツ帯(高山帯)に移っていくのですが、黒岳ではハクサンイチゲ、チシマノキンバイソウ、ナガバキタアザミなどの咲く一面の高山雪潤草原のお花畑が山頂まで続いています。

黒岳(5月中旬)
針葉樹林上限部は標高1500m付近。 ロープウェイ・リフトを乗り継ぎ、自分の足で歩き始める頃には、針葉樹林は消 えていく。


〜分水嶺〜

 分水嶺とは文字どおり『水を分ける嶺』のことです。日本列島には北海道の北端から九州の南端まで、日本海と太平洋をわける中央分水嶺が延々と4500kmに渡って連なっていますが、広大な北海道はその2割を越えています。

 それらの中央分水嶺のコースには、標高2000mを越す大雪山系の分水嶺や、わずか標高20mの新千歳空港の中を通っている分水嶺、さらに特異なものとして、太平洋側は海岸線から直線でわずか300mほどの距離にあるのに、日本海側はその100倍にもあたる30kmの距離のところを走る分水嶺もあります。その位置は、国道37号線の静狩トンネル東側の小幌海岸付近を通っています。

 その分水嶺の大雪山系コースを北部からたどると、天塩岳、浮島湿原、チトカニウシ山を経て、ます北見峠から北部大雪山系の天狗岳〜平山〜武利岳〜武華山〜石北峠から東大雪山系の三国山〜ユニ石狩岳〜音更山〜石狩岳〜沼の原から中部大雪山系の五色ヶ原〜五色岳〜化雲岳〜トムラウシ岳〜黄金ヶ原〜そして十勝岳連峰のオプタケシケ山〜美瑛富士山〜美瑛岳〜十勝岳〜上ホロカメットク山〜下ホロカメットク山を通って、佐幌岳、狩勝峠へと至っていきます。


 ところで、北海道は日本海、太平洋、さらにオホーツク海という三つの大きな海に囲まれておりますが、その三つの海を分ける唯一の分水嶺が大雪山系のコースの中に存在しているのです。

 連休明けの休日を利用して、その分水嶺である三国山(標高1541m:本当の分水嶺は三国山山頂より西側へ350mほどの位置にある小ピーク)に訪れてきました。そのピークより南側に下れば十勝川となって太平洋へ、東側は常呂川となってオホーツク海へ、そして西側は石狩川となって日本海へ向かっていきます。

 なお、三国山には登山道がありませんが、積雪期には三国峠から比較的容易に 山頂に立つことができます。


(写真:三国山山頂より 中央手前が分水嶺ピーク)


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