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◆2003年6月◆
層雲峡では・・・

 6月の層雲峡は新緑の季節です。揃えて待っていますヨ 。最後に温泉をゆっくり入りましょう。(公共の温泉黒岳の湯)

温泉街は『花ものがたり』をテーマに、各々の軒先や広場は様々な工夫を凝らしましたガーデニングの花でいっぱいです。椅子やテーブルを置き、ハーブティーのサービスもありますので、天気の良い日は、車を停めて、温泉街や渓谷の散策、疲れたら温泉でのんびり(*^_^*)

7月26日は『層雲峡渓谷火祭り』が開催されます。夜は花火やイベントがあり、翌27日は『花と遊ぼうin層雲峡』をテーマにフラワーコンテスト、押し花教室、フリマ、演奏会等様々なイベントが企画されます。

爽やかな季節です。ドライブがてら温泉街に寄ってみてください。


山では・・・・

 明るい青空に裸枝のみふりあげていた亜高帯のダケカンバ林がその小さな緑葉を広げはじめると、高山帯にもやっと遅い春が訪れてきます。高山の植物の花の季節に入ってきました。


季節の話題 〜ウスバキチョウ〜

 荒涼とした高山帯の砂礫地帯にミネズオウやイワウメなどの高山植物が咲き始めると、どこからか地の底から湧き出る水のように淡黄色の透きとおる羽をもつウスバキチョウが現れてきます。

大雪山にはウスバキチョウをはじめアサヒヒョウモン、カラフトルリシジミ、ダイセツタカネヒカゲなど天然記念物に指定された4種の高山蝶が生息していますが、これらの高山蝶は本州の高山には分布していません。しかし不思議なことに海を渡ったシベリア大陸や北陸大陸にはその共通種が分布しているのです。この事実は北海道の自然がいかに大陸と深く関連されていたかを物語っています。

過去の氷河期には海水面が低下していたため北海道は陸橋によって大陸とつながっていました。

そのためオオツノシカやナウマンゾウなど多くの生物は大陸から渡来していたと考えられます。しかし地球が温暖化に向かったとき、まず北海道は津軽海峡によって本州と分離されましたが(最終ウルム氷期にも分離されていたといわれる)、比較的浅い海峡をもつ宗谷海峡や間宮海峡は、なおしばらくは陸橋として存続しており、その陸橋を通して、大陸〜サハリン〜北海道と生命の交流が続いていたものと考えられます。

やがて、さらに温暖化が進み、北海道が現在のように大陸と完全に分離された島になってしまうと、北方へと帰ることができなくなった多くの寒地性の生物は溶けていく氷を追うように寒冷な気候条件を求めて高山へ高山へと登りつめていきました。

『氷河期の落とし子』と呼ばれるウスバキチョウは、このような道を辿ってきたのでしょう。

大雪山の高山帯にのみ分布するウスバキチョウはこのような長い地史的背景を生い立ちにもっています。成虫は6月中旬から8月上旬まで見られます。晴天無風の日と好んで活動し、ミネズオウやイワウメなどの花によく吸蜜に訪れます。しかし強風の日や太陽が雲に隠れて気温が下がりますと、ハイマツなどの中に姿を隠してしまいます。母蝶はコマクサ近くの石下にひとつずつ卵を産んでいきます。卵はそのままの状態で冬を越し、翌年にはふ化します。幼虫はコマクサのみを食草として成長し、8月には薄いまゆを作ってその中で蛹となり、2度目の冬を越します。そして3年目、やっと蝶になって現れてくるのです。




“山開きに向けて”

 来る6月28・29日、大雪山黒岳でも山開きを迎え、28日には山開き祈願祭・29日には恒例の『大雪山山開き縦走登山会』が行われます。全体にそれほど雪解けが早かったわけではないようですが、冬の積雪量もそれほど多くなかったことや、5月中旬の晴天・高温続きで、最近の例に漏れず、例年より早めに推移していくのかもしれません。

 この季節、返答に困ってしまう質問の一つに「6月下旬に登山をするのですが、アイゼンは必要ですか?」というものがあります。黒岳の6月はまだ「夏山」と言うには早く、登山道のほとんどは雪に覆われているような状態で、雪に対する装備も万全にしていただく事をオススメしますが、だいぶ雪も解けてくる6月下旬・残雪期の登山については個人差も大きい為、一概には言えません。しっかりした登山靴であれば、雪渓をザクザクとさほどの苦もなく上り下り出来る事もあれば、朝夕凍結していたり、天候が悪ければ小さな雪渓でも転倒、滑落、骨折などの危険を伴います。軽アイゼンは「使わないかもしれないけど念のため」ご用意いただくようにお話ししています。まだ残雪の多い季節は、思った以上に夏山とは違った風景です。雪渓の真ん中で道(方向)がわからなくなってしまう・・・という事もございます。残雪期の登山が始めてという方は、経験者の方とご一緒されるのが良いでしょう。

また、皆さんが一番気になさっているだろう開花についてですが、冬の積雪量が少なかったり、雪解けが早いと言われる年でも、6月中はまだ「花畑」と呼べるような場所はほとんどありません。雪の積もらない稜線部分では、ガンコウラン・ミネズオウ・コメバツガザクラなどは既に咲いていて、キバナシャクナゲも咲き始めました(6/6)が、きっと皆さんがお目当てにされているであろう高山植物群落が出現してくるのは、たいていは7月に入ってからです。「この場所のこの花!」というような限定された目標がないのであれば、7月中旬〜8月上旬が、初心者の方が比較的安全に登山を楽しめる季節ではないでしょうか?あせらず、準備を怠らず・無理をせず・楽しい山歩きを!事故のないシーズンでありますように。



【開花目安】

黒岳九合目 ハクサンイチゲ
チシマノキンバイソウ
(7月初旬)
(7月中〜下旬)

黒岳雲ノ平 チングルマ (7月中旬)

赤岳コマクサ平 コマクサ (7月初〜中(下)旬)

小泉平 ホソバウルップソウ (6月下旬〜7月初旬)

荒井岳(周辺) タカネスミレ (7月上〜中旬)

緑岳 チングルマ
アオノツガザクラ
(7月中〜下旬)
(7月下旬〜8月上旬)



■ 赤岳登山コースの案内 ■


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