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春に入って、今年もクマゲラの独特な鳴き声が峡谷に響きわたっています。ク マゲラは日本最大のキツツキで、大雪山の森林帯に生息する最も代表的な野鳥で す、しかし、原生林の開発とともに山奥に追いやられてしまい、現在では北海道
のほかには本州の東北地方の一部にその分布が知られているのみです。
今では、国の重要な天然記念物として保護されています。
自然豊かな北海道でもクマゲラの生息地は非常に限られてきていますが、大雪 山の石狩川源流地域では、春から初夏の繁殖期にその姿を見ることもそれほど珍 しくはありません。昨年は層雲峡ビジターセンターの裏山のクマゲラ3羽の雛が巣
立っていきました。
その繁殖の様子を、簡単に紹介しましょう!
クマゲラの繁殖は地域によって、あるいは季節によって多少の変化はあります が、繁殖の経過は、つがい形成期、造巣期、産卵期、抱卵期、育雛期、そして家
族期に分けられます。
繁殖は3月下旬頃からはじまり、4月に入るとつがいは形成され、5月上旬に終わ ります。造巣は、古巣を何年にもわたって手入れして利用する場合も多くありま す。
巣に利用される樹種は、針葉樹のトドマツから、広葉樹のドロノキやシナノキ など、地域によって異なっていますが、多くは胸高直径50cm、樹高20mを超す大木
が選ばれ、巣の高さは5〜10cmあたりにつくられることが多いです。
そして、巣穴の構造はかなり大きなものとなっています。
営巣地の環境は、巣穴の全面が川やオープン地などのような開けたところです 。森林の中にあっては、樹冠の開けたところや、立木密度が低いところにある樹 木が、営巣木として選ばれます。
ときには、層雲峡のホテルの前のシナノキで巣を営んだクマゲラのように、往 来の激しい国道39号線に張り出した営巣木の中で、無事に雛を巣立ちさせた家族 もいます。
産卵は5月中旬頃、卵は雌と雄が交替で抱きます。抱卵期は約2週間ほどで、5月 下旬頃孵化し、2〜4羽(平均3羽)の雛が育てられます。育雛期は、ほぼ1ヶ月で
す。育雛期の中頃になると、雛は巣穴から頭を出すようになり、しきりに親から 餌を要求するようになります。
この頃になると、給餌回数は増加し、また幼鳥の出す糞をしきりに巣穴より運 び出します。これらの作業は雄親も共同して行っており、ドラミングも育雛期に なるとさらに増加します。とくに給餌のときによく行われます。
このドラミングとともに、クマゲラの特徴にその独特な鳴き声があります。木 に止まっているときは、『キョーン、キョーン』と鳴き、『コロ、コロ・・・』 と飛びながら鳴ます。
やがて6月下旬になると、親の『キョーン、キョーン』という鳴き声に促される ように、幼鳥は巣穴を去っていくのです。
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